わかって欲しいんじゃなくて、伝わって欲しいんだ。
私がカウンセラーとして心がけていることの一つに、
「具体的にわかりやすく」
というのがあります。そのままの意味で特に変わったことでも、大したことでもありません。これは教師をやっていた時からずっと心がけていたことでもあります。「具体的にわかりやすく」というのは言い換えれば「どう動くか」という指示を出すことです。もう少し言うと「こういう根拠があるからこう動け」ということです。具体的に説明しますね。
学校の三者面談でよくある会話です。
保護者「先生、うちの子読解力がないので、どうしたらいいですか」
先生 「たくさん本を読もうね」
生徒は読みません。
何を読めば良いのかわからないからです。中には「名作文学を読みましょう」と言う先生。あなたそれ読みましたか(笑)「なんでも良いから君の好きなの読もうね」これっていいと思いますか?私に言わせれば思いっきり無責任な発言です。それができる子なら苦労しませんよって。
では読解力のない生徒はどうしたらいいのか。
行動・・・文を書く→身のまわりにあることを短くても良いのでノートに書いて提出
これからの行動・・・先生がノートに返事で指示を出すのでそれに従って書く
そうする根拠・・・読解力のない子供は日本語の構造がわかっていない。構造がわかっていないから読めない。自分が書くことで少しずつ構造を理解していく。
と、こんな感じです。もちろん相手によって全部パターンは変わります。これだと生徒は何をするのか、なんのためにするのか、わかってくれますよね。
ではこれを心理カウンセリングに応用した一例をご紹介しますね。
たとえば抑鬱状態になっている人は、何をするのも億劫で動けません。わかってはいるんですが動けません。テレビの前に座ったままです。特に見ているわけでもないのに。
さて、そんな人に私がしていただいたのは食後の洗い物です。ただし事前に家族の人には、もしできなくても責めないでくださいとお願いした上で、ですが。
さあ、食事が終わりました。すぐに洗おうとなんか思わなくていいです。またテレビの前に座っちゃいましたか。いいですよ。じゃあ、一息ついたら立ってみましょう。ちょっと面倒ですが立ちましょう。立てたらキッチンに行きましょう。無理ならまた座っていいですよ。でも立つところまではできた。すごいすごい。
キッチンに行けた人は、洗い物にチャレンジです。が、ここで注意。洗い物がすべて終わる、フィニッシュまでをイメージしてはいけません。終わりまでしなくてはならない、と言うプレッシャーが発生しますから。できることろまで。
洗えそうですか。じゃあ洗いましょ。洗い方は「速く、そして丁寧に。食器を落としたら負け」ここでも注意。絶対に時間を測ってはいけません。時間は比べるために存在していますから。
洗えましたねえ。すごいじゃないですか。なかなかやりますね。明日もできるかなって?そんなこと今は心配しなくていいよ。できるかどうかはまた明日考えましょう。
ざっとこんな具合です。
何をするのか。何をしてはいけないのかを明確に伝えます。もちろん、そうする根拠もタイミングを見計らって伝えます。
無理強いはご本人を否定することになります。言われたことを一つすると、すでに一つ進歩しています。先のことは考えません。比べることもしません。
私がカウンセリングの時に絶対に使わない言葉。「わかりますか?」
私はその代わりに「伝わってますか?」と聞きます。
具体的に動いて、考えていく中で
言葉にならないことを感じ取って欲しいからです。
長くなりました。すみません。
伝わりました?
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