さまざまな認知のゆがみ
- 認知のゆがみとうつ病
- 1 〜すべきだ思考
- 2 マイナス思考(認知のゆがみの典型)
- 3 レッテル貼り
- 4 自己中心思考
- 5 感情的決めつけ
- 6 二分割思考
- 7 過度な一般化
- 8 過大/過小評価
- 9 論理の飛躍その1
- 10 論理の飛躍その2
認知のゆがみとうつ病
前回の記事で物事に対する考え=認知のお話をしました。そしてその認知がちょっとゆがみ始めると、欲求不満やストレスが発生します。ただこの認知の歪みは日常的に誰にでも起きるものですが、度が過ぎるとうつの症状になります。大きなストレスにより認知のゆがみが発生。そしてその認知の歪みは新たなストレスを生みます。そのストレスの総量があなたの心の許容範囲を超えると、今度は脳の機能低下が起きます。すると思考力低下、精神力の落ち込みとなりうつ病が発生するとされています。
それでは認知のゆがみの10パターンをご紹介しますので、ご自分に照らし合わせてみてください。
1 〜すべきだ思考
●何かしようとするときに、「〜すべきだ」「〜すべきでない」と考える。
▲「いつも元気で明るくなくてはいけない」「いつもきっちりしていないといけない」
■何をやっても不完全さを感じてしまうので、失敗に思え、成功感を感じにくい。
よって満足感を得られにくいので自己嫌悪に陥りやすい。
自分はこれだけしたのだから、周りもそうすべきだ、と考えるようになると人間関係の
構築にも問題が生じる。
2 マイナス思考(認知のゆがみの典型)
●何でもないこと、仕事の成果など過小評価してしまう。
良い出来事は無視して、悪い出来事にスポットを当ててしまう。
▲人からほめられても、信じない。いいことがあっても「どうせ今だけ」
■相手の言葉を信頼できず悪く取るので、そこに感謝の気持ちがない。
悲観的な性格はどんどん悲観的な考えを生む。
3 レッテル貼り
●あるものの一面だけを見て、それが全てであるかのように決めつける。
ネガティブなレッテルを貼る。
▲ちょっとしたミスを大げさにとらえ、自分はダメな人間だと決めつける。
■自分に貼るレッテルは否定的、相手に対してもネガティブにとらえる。
したがって人間関係でトラブルが発生する時がある。
4 自己中心思考
●良くないことが起きると「自分が悪いからだ」と自分のせいにしてしまう。
▲誰の責任でもないような偶発的なものでさえ、自分のせいにして自分を責める。
■しだいに自責の念や罪悪感が大きくなり抑うつ状態に入っていく。
5 感情的決めつけ
●起きた事象に対してネガティブな決めつけをする。
▲たまたま相手のものの言い方が冷たく感じられた。
それに対して、相手が自分のことを嫌っているんだと決めつける。
自分がつまらないと、こんな世の中自体がつまらないものだと決めつける。
■そのときの自分の気分で世界を決めてしまうという、うつ病に見られる傾向である。
6 二分割思考
●別名「オールオアナッシング思考」
「100か0か」「白か黒か」普通、世の中に起きる事象はそれほどシンプルではない。
▲たった一回のミスで「もうダメだ」
■世に中のことは決して二分化できないので本人は満足感が得られず苦しむ。
7 過度な一般化
●一つあるいは一回の事象をみて、全てあるいはいつもこうだと思い込む。
▲一人とうまくいかない事実を、自分は誰ともうまくいかないと決めつける。
■うつ状態になるとこの思考が顕著になる。
8 過大/過小評価
●自分のネガティブな部分(失敗や短所)は過大に、
ポジティブな部分は過小に評価する。
▲ほめられると「誰でもできる」失敗すると「自分は無能だ」
■自分を否定的にとらえるので、常に満足感、達成感がない。
9 論理の飛躍その1
●一つの理由で事実に基づかない結論を導き出してしまう。
▲彼のスマホに送ったメッセージに返事が来ない。
彼はきっと浮気をしている。
■社会的人間関係を築けない。
10 論理の飛躍その2
●先のことを悪く決めつける。
▲未来のことを予言できるといい、しかもその中身がネガティブである。
■何かしようとするとき「きっとうまくいかない」と思い込む
以上認知のゆがみをざっとご紹介しました。あまり長くなってもと思い、かなり簡単に書きましたので分かりにくかったかもしれません。ご参考にしていただければ幸いです。
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